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-考察- ベアリングの良し悪しについて

2019.03.09

KOGEL

ベアリングは内側に隠れており、SNSで新しいベアリングに替えたバイクをお披露目してもなかなか「いいね!」をもらえないんじゃないだろうか。ほとんどのバイクメーカーはベアリングにお金をかけないし、それが何故なのかをKOGELは商売の視点で理解している。バイクブランドのカタログでは、エアロバーやブランド物のパーツなどでわかりやすく商品の価値を上げようとするが、高級ベアリングではどうか。残念ながら大して値打ちが伝わらないだろう。これが普段からベアリングのことを気にしなくなる主な原因なのだろう。でも、もしそれらすべての回転効率がちょっとでも上がり、脚力の負担をちょっとでも減らせると考えれば価値があると思わないだろうか?

 

偉大なベアリングを作るための鍵

ボールベアリング

ボールベアリングにまつわるセオリーは簡単で、より丸くて表面処理が滑らかなボールがよく転がる。スチールのボールはワイヤーが細かくカットされ削って磨かれるところから製造が始まり、光沢のある粒となって出てくる。高品質の鍵は仕上げ工程にある。手のひらでパン生地をこね回すように回転する2つのプレートにボールを挟みながら転がすのがそれである。この工程の間に硬度を上げるための加熱処理をおこない、最終的に同じような機械で表面を研磨する。品質は、たいていどれだけの時間をそれぞれの作業に費やすかによって決まる。その後にその真円度、サイズ、表面の滑らかさでグレードと呼ばれるレベルに区別される。その数字の幅は2000から3の間で規定され、数字が小さい方が公差が小さく高性能なボールであることを指し、自転車では一般的に300から3の間のグレードが使われている。KOGELのベアリングにはその最高峰であるグレード3の、しかもセラミック製ボールが用いられている。

 

セラミックvsスチール

自転車に使用されるセラミックボールのほとんどが窒化ケイ素で作られている。この素晴らしい素材はスチールより硬く、より真円度が高く滑らかな表面研磨を可能にする。これは最終的にベアリング内のボールの摩擦を減らす要因となる。もう一つの素晴らしい特徴は錆びないこと。なのでハイブリッドセラミックベアリングはレースと固着することはない。セラミックのデメリットは硬いがもろいこと。圧縮した砂で作ったと想像してみてほしい。硬い表層が欠けるもしくは型崩れするとすぐに粉々に崩れてしまう。これは低品質のボールによくある話で、耐久面でセラミックの悪い評判が立つ理由の一つになっている。高品質セラミックボールベアリングの場合はよっぽどのこと(数年間使用の間ノーメンテナンス等)がない限りこういったことは起きない。

コストは考慮すべき一つの要素ではある。高品質セラミックボールの製造にはお金がかかる。KOGELは研磨作業に3週間以上かけるので、そのコストが一般的なスチールベアリングに乗っかるということになる。だが、この高い価格設定は、スチール製もしくは粗悪なセラミックベアリングと比べて長い寿命を提供することで補われると言える。この辺については追って掘り下げていこうかなと思っています。

 

ディスカバリーチャンネルで放送されたNTNベアリングの製造プロセスを説明する映像があるのでご紹介します。これはラジアルボールベアリングの製造工程で、ほとんどのバイクで使用されているベアリングです。

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