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オーバーサイズプーリーの効能

2019.04.26

KOGEL

ディレーラープーリーのオーバーサイズ化については様々な議論が交わされています。世の中には専用のケージに収められた歯数17丁以上のプーリーセットも存在し、ワット数削減などをその効果として売り出しています。メーカー(自分たちもそうですが)は様々な効能を謳ってディレイラープーリーを売り出しますが、果たしてその効果は如何に?

結論から言うと、用途によってその効果に差が出るというのがKOGELが長年検証して出した答えで、目的に応じたパーツ選択とチューニングが必要ということになります。例えばノーマルケージに収まらない大径プーリーはチェーンの駆動ロスを最小限にするという部分では最適な回転効率を導き出せる一方で、ノーマルプーリーと比べてチェーン軌道が大きくなりベアリングの遊びがプーリーの振れを起こす点からシフティングスピードやその精度が落ちる傾向にある。また、テンションプーリーの大径化はレースコースもよってはコーナリング時に地面や縁石等に接触する可能性が高くなります。

ではオーバーサイズプーリーの恩恵は少ないのかと言えばそうでもなく、例えば直線走行が多く頻繁なシフティングや鋭角コーナリングを伴わないロングディスタンスレース(アイアンマンやタイムトライアル)に使われるTTバイクでは純粋に回転効率が上がり、その結果タイム短縮に繋がることは容易に想像がつきます。各コンポーネントメーカーのロード用の標準スペックが11Tというのは摩擦抵抗よりもコンポーネント本来の変速性能や運動パフォーマンスを優先するところにあると見ています。

KOGELが目指したのは最上の性能を発揮するスイートスポットを見つけることでした。駆動ロスを減らすと同時に本来の変速性能を維持し、ノーマルケージに収まるサイズで交換作業が簡単という欲張りな要望に応えられる仕様として送り出したのが12Tプーリーと12/14Tプーリーです。特に14Tのテンションプーリーは最新のSram XX1 Eagleの標準スペックとなっており、KOGELが先鞭をつけられたのは鼻が高いです。クリテリウムのような変速頻度の高いレースを好む方は上下デフォルト歯数の11Tか12Tのプーリーセットが調子良いかと思います。

KOGEL独自のテストとその結果からの主観となりますが、これから走りに効くチューニングを検討されている方、特にセラミックベアリングプーリーに興味がある方は是非参考にしていただければと思います。

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