
KOGEL 2020.06.12
KOLOSSUS -Larger than Life-
我々が知る限りでは2010年のツール・ド・フランスでサクソバンクがビッグプーリーを採用したのがワールドツアーで初めてだったと記憶しています。
ファビアン・カンツェラーラやアンディ・シュレックがビッグプーリーを搭載したバイクに跨がりましたが、
そのビッグプーリーをデザインしたのは知る人ぞ知るウルフギャング・バーナーという人物だったと思います。
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2015年にセラミックスピード がシマノDura Ace9000シリーズ向けのOSPWのプロトタイプを発表、
その数年後にはそのビッグプーリーなしではロングディスタンスのトライアスロンに参戦できないというほどにまで発展しました。
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KOGELはビッグプーリーシステムに常に懐疑的でした。なぜならその抵抗削減は変速精度の代償のもとで成り立っていたからです。
2020年は、ビッグプーリーが一過性の流行ではないことを認める年であり、実際に複数のメーカーは様々な課題を解決して市場に受け入れられつつあります。
コロッサスというのはギリシャ語で巨像を意味しますが、その開発はプーリーケージに求められる厳格な設定値の克服というところから始まりました。
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Protect shifting accuracy by designing the stiffest cage on the market
我々の検証によると、カーボン製のプーリーケージは剛性重視ではなく軽さ重視で設計されています。
変速精度は直線を一定速度で走るアイアンマンレースで勝つことよりも重要ではなかったのでしょう。
ですが、連続する急斜面やコーナーで頻繁なギアチェンジを要求されるロードレースでの変速精度の悪さは致命的です。
抵抗削減以外に純正の樹脂製プーリーからアルミ製プーリーに変わることで多少の金属同士の接触音を感じると思いますが、
ブラインドテストでその違いに気づく人は少ないレベルだと思います。
コロッサスのプーリーケージは他社製品の3倍、純正のシマノR8000のプーリーケージの2倍の剛性を誇ります。
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Chain retention is key
机上では世界の果てまで平らな道が続いているだと思いますが、現実の世界は路面が平らではないです。
何かの破片や小石や砂などの障害物がサイクリングコースにあるのはごく普通のことですが、
コロッサスのテンションプーリー(下側のプーリー)は路面状況が悪くチェーンが暴れる状況でも歯が長い(高い)ことで脱線を防ぎます。
さらにチェーンキャッチャー機構をケージ内に加えることで2重にチェーン脱落を防止しています。
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Ride it on or off-road without restrictions
ビッグプーリーを作っておいてオンロードだけの使用に制限するのは不公平だと思うのは我々だけではないはずです。
KOGELはオンロードで求められる機能をオフロードでもという企業理念があります。
コロッサスはそこがKONAの水平線まで続く一本道だろうが、ダーティーカンザの砂利道だろうが、クリテリウムのオンロードコースだろうが等しく性能を発揮します。
R9100系Dura Ace, R8000系Ultegraからクラッチ付きGRX、RX800系ディレイラー 、SRAM AXS EPSに対応します。
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Fit the same product on long and short cage derailleurs
R8000アルテグラのディレイラー には複数のカセットの歯数に対応するためGSとSSの2種類のケージの長さが存在するのはご存知の通りですが、
従来の他社のビッグプーリーはSS仕様にしか対応しませんでしたがコロッサスはどちらにも対応することを最後に付け加えておきます。
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次回から数回にわたってKOGELのビッグプーリー「KOLOSSUS」について、より詳しく解説していきたいと思います。